● お子さまに多い主な病気 ●
*溶連菌感染症*
A群溶血性レンサ球菌(略して溶連菌)という細菌の感染で起こります。 以前は猩紅熱と言っていましたが、最近は溶連菌感染症と言うことが多くなりました。溶連菌が産生する毒素や菌体の成分が複雑に関係して全身に様々な障害(急性糸球体腎炎、リウマチ熱など)を起こすことがあるので注意が必要な病気です。
【症状】
潜伏期は2~5日です。発熱、のどの痛みが主な症状です。腹痛や嘔吐がみられることもあります。小さな赤い発疹が全身に拡がってきます。
舌の表面が赤くざらざらして苺の表面のようになることがあります(苺舌)。
発疹は4~5日で薄れてきて、フケのように皮が細かくむけたり、指先の皮がむけたりすることがあります。のどが赤いだけで発疹が出ないこともあります。
合併症として数週から1ヵ月後に急性糸球体腎炎が起きることがあります。血尿、蛋白尿、高血圧、浮腫などが主な症状で、尿が赤くなり、むくみ、頭痛、嘔吐、倦怠感などがみられます。まれにリウマチ熱という病気が起こることもありますが、抗生剤の普及で最近はほとんどみられなくなりました。
【診断】
のどをぬぐって溶連菌の有無を15分程度で確認できる迅速検査があります。培養して溶連菌を確認する方法もありますが、結果が出るまで3~4日かかるので、最近は迅速検査で即日に診断することが多くなりました。
【治療】
溶連菌に効く抗生剤を内服することで治療します。
通常、薬を飲んで翌日には熱が出なくなり他の症状も軽くなってきます。
溶連菌の感染力は2~3日でなくなりますが、完全に除菌するために通常は
抗生剤を10日間ほど内服する必要があります。急性糸球体腎炎が起きていないかどうか確認するために、2~3週間後に検尿することがあります。
【他の人への感染】
兄弟への感染率は5%程度です。時に成人にも感染することがあります。
以前は兄弟に抗生剤を予防投与していたことがありましたが、最近は発症してからきちんと治療したほうがよいと考えられています。