● お子さまに多い主な病気 ●
*手足口病*
手、足、口に発疹がでる病気です。 英語でもHand-Foot-Mouth Diseaseと言われています。 夏に流行することが多く、夏かぜの一つといえます。
【原因】
主な病原はコクサッキーウィルスA16とエンテロウィルス71です。
コクサッキーウィルスA10による流行も時に見られます。
潜伏期は3~7日で、唾液や便を介して感染します。
【症状】
手のひら、足の裏に平らな楕円形の赤黒い水疱のような発疹が出現します。
ひじ、ひざ、おしりにも発疹が出ることがよくあります。
発疹は数日で茶色くなって吸収され、かさぶたになることはあまりありません。口の中に直径2~3ミリの粘膜疹(口内炎)が多数出現します。
歯ぐき、舌、のど、頬の粘膜のどこにでも出現します。
口内炎の痛みのために食欲が落ち、脱水の原因となることもあります。
発熱はあまり多くなく、あっても38℃台程度で1~3日でおさまります。
【治療】
手足口病を治すための特別な治療はありません。
痛みを和らげたり、熱を下げたり、といった対症療法が中心となります。
【経過】
通常は自然に治る病気ですので、水分がとれていれば心配はいりません。
全身状態がよければ学校や幼稚園に行ってもかまわないことになっています。(できれば食欲が戻るまで自宅で様子を見たほうがよいでしょう。)
以前海外で手足口病の合併症として脳炎が起こり多数の死亡者が出て問題になったことがあります。日本でもまれに脳炎の報告があります。 一般的には自然に治る軽い病気ですが、ぐったりして元気がない、頭痛を訴えて頻回に吐く、意識がおかしい、などといった症状が見られるときは早めに受診してください。